くりたのブログ
山科茄子。
卵型でぷっくりとした、なんとも可愛らしい姿、
お写真、「山科茄子」です!
その名の通り、古くから山科エリアで栽培がされていたお茄子で、
京の伝統野菜としても認定されている、京野菜の一つ、なんです。
その起源は定かではないそうなのですが、
一説に、江戸時代(慶応年間)に、
山科のお百姓さんが、左京区吉田で作られていた「捥ぎ茄子」を大型に改良し、
山科の地で栽培を開始、それが特産として認知されるに至った、との
話があるんだとか。
(『歳時記 京の伝統野菜と旬野菜』(トンボ出版)参照)
昭和初期頃までは、
京都に流通する茄子といえば、
この山科茄子が中心だったそうなのですが、
その後、千両茄子(→今広く一般的に流通している、茄子ですよね!)の登場により、
その座を取って代わられ、
一時期、ほとんど流通がない、という状況にまでなってしまったのだそう。
今は、山科では数件の農家さんで栽培がしっかりと続けられており、
また現在、京都府農業総合研究所等により、
種の保存、品種改良が重ねられ、
それが、「京山科茄子」のブランド名で栽培されるようにもなり、
山科以外のエリアでも生産がされるようになっていて、
山科茄子の味が守られ、少しずつ販路は広げられているようです。
ただ、そうは言っても収穫量も多くはないので、
おそらく、京都以外の地域では
見かける機会も少ないのではないかな?と思います。
なぜ、それほどまでに流通が難しくなってしまったのか?
その理由、それは山科なすの持ち味、とも関係があるんです。
このお茄子、兎に角、とてもデリケートなんです!
皮が薄くて、実が柔らかいのが、特徴。
ちょっと動かすだけで傷がつきやすかったり、
切り取り後、果皮の変色も早いので、
自ずと、地元消費が中心となっていった、とのことなんですね。
また栽培も、水分量の調節が非常に難しいらしく、
それも理由の一つでもあるようです。
果肉の柔らかさ、歯切れの良さは、
他の茄子にはない、山科茄子ならでは!のもの。
特に、ニシン茄子など、炊いたもんにした時の美味しさは、格別!
とろっとしていて、うま味、深みもあって、
それでいて、他の食材との馴染みもよくて。
なんとも言えん、味わいがあります。
これ、賀茂茄子とはまた違った、魅力、なんですよねー。
8〜9月が旬の、山科なす、
市場に出回るのもあとわずか。
名残惜しいのですが、9月半ば頃まで、といった感じでしょうか?
山科茄子、
登場はあと少しの間、ですが、
身体に優しく沁みる、ほっとする美味しさ、なんですよー!
皆様、是非にーーーーー!
扱いもとにかく丁寧に、が原則!
繊細だけれど、美味しいんですよねー、これが!