くりたのブログ
愛着。
4月、ですね。
新年度、新学期の始まりの時、
いつもだったら、背筋を伸ばして新しい気持ちになろうはずのこの時、
今年はそうもいかず。
いつもとは違う緊張感でもって迎えている、4月のスタートとなっています。
店は、毎日の業務をしっかりと、着実に重ねつつ、
今、出来ることは何か?
今だからこそ、させて頂けることはないかな?というようなことを、
皆で考え、アイデアを出しあって、、、というのが、ここ最近の日々であります。
実は、
「なかなか外へ出られないから、こんなお料理を送ってもらえないか?」
等々のお問い合わせはやはり多くて、
ご依頼に応じ、送らせて頂いたり、お引き取りに来て頂いたり、、、
という機会がかなり増えていることもあり、
商品として、きちっと形に出来ないかな、ということが、
只今の緊急課題の一、です。
また何か決まりましたら、ご報告させて頂きますね。
世界的にも、波乱、混乱、不安も拭えぬ日々が続いておりますが、
いつか必ず、終息の日はやって来ますので、
その時までは、まずはぐっと堪えながら、
なんとか、なんとか乗り切って参りたいと思います!
私の個人的なレベルで言えば、
手洗いの励行はもちろん、うがいも欠かさず、マスクも必携、
人混みへは出向かず、必要があったにせよ距離を意識し、
美味しいものバランスよく存分に食して、睡眠もきちんと取って、
自分の力をしっかり保つ、ということ、
心掛けてまいりたい、と思っています!
、、と、
気持ちを高く保とうとする、そんな中、
店ではとある、問題が発生。
なんと、スチコンが壊れた!
スチコン、耳慣れぬ方も多いかと思いますが、
「スチームコンベクションオーブン」の略、なのです。
スチームコンベクションオーブン、とは、
ごくごく簡単に言えば、
蒸気と熱風を利用し、「蒸す」「焼く」がこなせる、多機能加熱調理機器。
しかも、温度や熱風の量など細かく設定すると、
より幅は広がって、本当に万能!な、店にとっては大事なチームメイトなのです。
それが、壊れた、、、。
なんで、今やねんっっっっっっっっ!
大将の叫び声が聞こえます。
それもそのはず、
「機械ものは、兎に角丁寧に扱うべし!」
をモットーとしておられる大将、
冷蔵庫にしろ、なんにしろ、大切にメンテをしながら使うので、
長年取引の業者さんも皆びっくり!の、
ご長寿マシーンが多い、このくりた厨房。
スチコンだって、すでに20数年選手。
さすがにもうそろそろ、色々と不具合の気配もないでも無かったので、
致し方なし、ではあるのですが、
なんで、それがよりにもよって、
他にも問題山積の今なのか!?
と。
でも、試練とはそういうことです。しかたおへん。
急いで原因究明し、部品を取り替えればなおるかも、とのことなのですが、
それもなかなか直ぐに、とはいかない様子で。
仕方がない!ということで登場したのが、
これ。
「蒸し器」です!
実は開店当初、スチコンを手に入れるまでの数年、
日々「蒸す」作業に使っておられたのが、この蒸し器。
これまでもたまに必要な時には出してはいましたが、
急遽、ではありますが、毎日登板となるのは久しぶりのこと。
「スチコンを手に入れる前は、ずっとこれをつこてた(=使ってた)んやで!」
、、と、
「お互い何も語らずとも、相手の呼吸は分かっている」
とも言うべきスムーズさで(!)、
蒸し器はすべての作業の工程にあっという間になじんでいきます。
昨日までスチコンが担当していた「蒸し作業」、
今日は、大将が蒸し器の火加減見ながら、
時間、様子もその都度のぞきながら、
そこには確かに多少の手間は増えはするのですが、
それはまるでいつものことのように、
なんなく、作業は進んでいきます。
スチコンというもの、
これまでなんと万能で優れた機械なのだ!万能じゃないか!
と、よく思っていたのですが、
それがとことん、「便利」であるためには、
これを、作業の中での、どの工程を簡略化するために使おうとするのか?
そのお料理が出来上がるまでの厳密で確実な把握、がないと、
きっちり使いこなせないのだろうなー、ということ、改めて思いました。
(板さんにとっては、きっとそれは当たり前のことなのかとは思いますが!)
使う側の人間が、どう考え、どう使うか。
道具とは、そういうものですね。
開店から数年は、
この蒸し器をフル稼働!で使っておられたとのこと。
なんでもない蒸し器ですが(!)
懐かしくもあり、この姿を見ると、
色んなこと思い出すアイテムであるらしい。
年初にちょっとお話しいたしましたが、
くりたは今年で25周年。
記念の年が、なかなかの難関の多い、
試練の年となっている現在ですが(苦笑!)
奇しくもこの機に、
初心を思い出させてくれる、
出来事が起こってしまいました、
というお話でした!