くりたのブログ
好きずき。
6、7月に登場頻度が高くなる、上の葉っぱ。
お写真、「蓼(たで)」です!
蓼と言えば、鮎、ですよねー。
「鮎の塩焼きには蓼酢」—この黄金の組み合わせは、
一体いつ頃から始まったものなのでしょうか。
お酢系のものなら何でも良さそうなもんですが、
いやいや、やはり、蓼でないと。
それ以外だとどことなくしっくりこない気がします。
蓼の葉のもつ独特の辛みが、鮎に非常に合うんですよね。
ただ、この蓼の辛み、
尋常なものではなく、
そのままでは到底頂けたもんじゃありません。
試しに先をちょっとかじってみたりしたら最後、
口の中はぴりぴりひりひり、とえらいことになります。
(かつてトライをされたお客様で、
しばらく「ああ、痛い、、、」と涙ぐんでおられた、
なんてこともありました!)
これだけではなかなか頂ける代物ではないのですが、
実際、鮎の泳ぐような清流の脇に生える天然の蓼の葉には、
小さな虫がびっしり、とついていたりします。
蓼食う虫も好きずき、の諺はここからきていて、
平たく言えば、
「好みというもんは様々やで」という意、なのですが、
ほんまにその通り、ですよね。
しかも、こうは書きながらも、
私はこの刺激が(→葉のままの)さほど嫌いでもなく(!)
やはり蓼食うのんは好きずき、です(笑)
(ちなみに、店で使う蓼は、促成栽培のものなので、虫穴はありません。
天然ものは上記の通り、蓼好きさんにより穴だらけなので、使用は難しいという事情があります)
で、そのままでは到底辛くて頂けない蓼の葉なんですが、
あたり鉢(=すり鉢のことです)で丁寧にあたってペースト状にして、
酢と合わせて「蓼酢」(たでず)にすると、
辛みがマイルドになって、
ちょうど良い、美味しいお加減になります。
これ、本当に不思議なことなんですが、
とんがった感じが中和されるんですよねー。
そして焼きたての、アツアツの鮎、
上手に骨を頭の方からすっと抜いて、
身をこの蓼酢にちょっとくぐらせて、ぱくっと頂くと、
これほんまに至福、です(笑)
鮎の清涼感のある旨味に、なんと合うことか。
間違いのないこの組み合わせ、
これを一番最初に考えた方はほんまに偉大やと思います。
しかも、蓼の葉には殺菌作用の効果もあるとかで、
川のお魚頂く時の配慮、ということでもあるのですって。
昔の人々の知恵って、ほんまに素晴らしいですよねー。
蓼、(というか、鮎ですけれどね!!!)
あとしばらくお献立に登場予定です。
皆様、是非に!