くりたのブログ
スジコ。
9月、入りましたね。
先程も「秋晴れの、、、」という言葉がラジオからきこえてきていて、
涼しく穏やかな長月スタートとなっている、京都です。
空気感はすでに、秋、
ちょいと早いような気もしますが、
身体は非常に楽ちん!で、
こんだけ涼しさになじんで緩んだ身体に、
残暑ぶり返し、は、もはや恐怖でしかないな、などと思いながら過ごしています。
(聞けば、関東地方など、今日真夏日だったエリアもあったみたいですね、、、)
十分に気を引き締めて、今月も頑張って参りますよー!
さて、お写真、「スジコ」です。
漢字では筋子、
言わずと知れた、鮭や鱒など、サケ科魚類の卵、です。
(ただ、一般的には鮭の卵を指すことが多い様に思います)
そして、良く言われるのが、「イクラ」との違い!
違い、というか、そもそも両者は同じものなのですが、
その状態によって、呼び名が変わってきます。
卵巣の薄い膜に包まれ、房状につながっているもの、
これがスジコ、
そして、これをこの房状のままの状態で
塩蔵、醤油漬け等の加工をしたものも、
同じく「スジコ」の名で流通していることが実際には多いので、
加工前のものは、あえて「生スジコ」と呼ばれることもあります。
そして、スジコを一粒ずつばらした状態にし、加工したものが、いわゆるイクラ。
ちなみに、「イクラ」って実はロシア語!
ロシアでは鮭、鱒に限らず魚卵全般をイクラ、と呼ぶらしい、です。
で、この房状か、バラバラか、という区別をもう少し掘り下げると、
一般的に流通しているものについては、
スジコは未成熟卵で、イクラは熟卵である、ということが言えます。
例えばイクラとして市販されているものは、
鮭が産卵で河川に戻る前のタイミングで(例えば沿岸付近など)、
卵がほどよく熟して、分離しやすく、つまりはほぐしやすく
なっている状態の卵巣を使用することが多いので、
おのずと卵膜もほどよくしっかりしたものであることが多いです。
一方スジコは、それよりも沖合で漁獲された、
未成熟な状態の繋がったままの卵巣、であることが多いので、
両者は成熟度がちがう=旨味の種類、食感などが少しちがう!
ということが言えるかと思います。
店ではスジコ(生スジコ)を丁寧に一粒ずつほぐし、
醤油漬けにしたもの、八寸の中のおひとしなとして、
これからの時期使います。
お料理をお出しするときのご説明の際、
あらゆること全て省略して「スジコ、です!」
と申し上げてますが、
上記のようなざっくりとした(でも複雑な)区別が
実際にはあります。
皮がぷちっとしたしっかり食感のイクラよりも、
多少柔らかく、繊細な味わい、風味がありますので、
そこの微妙なところ、どうぞ味わってみとくれやすね!