くりたのブログ
素麺。
梅雨とはいいながら、変わらず曇天続きの、京都市内です。
でもそうはいっても梅雨は梅雨。
いつ何時、ざあっと降られるかわかりません。
店でも、例によって瓜やら鰯やらの干し作業、
天候の変化に敏感に神経を傾けながら、行いました。
この時期、何かと「外に出して干す」作業が多いこともあって、
お天気に絶えず気を配らざるを得ません。
もちろん予報も参考にはするのですが、
店の干し作業をはじめ、洗濯物だって、外へ干すのか、中へ干すのか、
もっぱら自分の野性の(!?)勘を頼りにするというのか。
これって梅雨時期ならでは、ですよねー(笑)!
さて、暑くなってくると、
何かと登場率が高くなるのが、この食材。
素麺です!
暑くなると恋しくなるのが、おそうめん。
暑っついときに、程よく冷えたのをつるりん、と頂く、
これは、定番にして極上で「夏」の必須アイテム、なんですが、
店では今の時期、
「にゅうめん」(=煮麺)にしたもの、お出ししています。
あえての温麺、なのですが(!)
理由はこの、写真の麺にあり。
これね、とっても細い!のです。
どんなくらい細いかと言えば、
例えばつまようじと比べると、こんな風。
これくらいに細い。
このお素麺、種類としては三輪そうめんなのですが、
実は「白髪」という銘がついています。
髪の毛ほどに細い、んです!
なんと、伝統工芸士さんが作っておられるこの素麺、
日本で一番細い!という呼び声も高い、おそうめんなのです。
腕のいい素麺師さんでなければ、ここまで細くは出来ないんだそうです。
まず味わうべきは、この細さならではの美しさ。
まるで糸の様なのに、湯がく過程でぷつっと切れる事も無く、
きちんと、美しく、椀の中におさまってくれます。
吸い汁に浮かんだときの細い麺のキレイなこと!
麺の描く弧の線が、ほんまに美しいのです。
そしてさらに驚くべきは、その、 コシ!
こんなに細いのに、しっかりとコシがある。
十分に寝かしているひね物であることもあるんですけれど、
(素麺は、長く寝かす程美味しく、コシがでるとよく言われますが、
生産から2、3年が一番良いのだそうです)
口に入れた時のこの細い細いおそうめんの食感、
本当に、びっくりなのです。
一すじひとすじ、
コシ、があって、かつ、優しい。
しかも汁が繊細に良く絡んで、
するりと喉を通っていきます。
これは、しみじみ、美味しい!
きっと、そう感じて頂けることと思います。
にゅうめん、店では夏のお魚との組み合わせでお出し致します。
もちろんその魚から取ったお出汁をベースに使うのですが、
これがまた美味しいんです!
魚の旨味が細い麺にからんで、、、
これもう、たまらん、ですよーーー!(笑)
にゅうめん、これからしばらくお献立に登場予定です。
(日により御予算により、お出し出来ない場合もあります)
皆さま、是非に!