くりたのブログ
すぐき。
「炊いても意外と美味しい、で!」という八百屋さんの勧めがあって、
大将が手に入れて来てくれた、カブらしき、このお野菜。
なんと、 「すぐき菜」です。
「すぐき」、と言えば、千枚漬け、柴漬けに並び京都の三大漬け物の一つ。
そう、あのすぐきの材料となるのが、上のお写真のもの、なんです。
漬け物のすぐきは馴染みがありながら、
漬ける前の状態を見る機会、今まであまりありませんでした。
すぐき菜、漢字では 「酸茎菜」、
アブラナ科で、種類としてはカブの変種になるんだそう。
もっぱら、漬け物としての利用が多いこのすぐき菜、
炊いてみたらどうなるんでしょうね?
きっと、すぐきの産地エリアである上賀茂一帯では
色々に使われることもあるのかもしれませんが、
店では生すぐき菜、これが初挑戦です!
これからあれやこれや、大将試作にかからはります。
初めて食材、いつでもなんかワクワクしますっ!
さて上写真、これが漬け物の 「すぐき」。
ということで、少し漬け物のすぐきのお話など。
上賀茂のごく限られたエリアが主な産地で、
材料はすぐき菜と塩、のみ、という極めてシンプルなもの。
ただ、製法がとても珍しい!
日本でも数少ない、天然の乳酸菌によって漬けられる、
乳酸発酵によるお漬け物なんです!
心地の良い、独特な酸味が特徴で、
(それは今書きながらでも、唾液腺が刺激されるような感じがある程!)、
その酸味、ひと口に「酸っぱい」というのとは、違う、
まろやかで、コクがあって、なんか深い深い、酸味。
一度味わうと忘れられない様な、独特な味わい、があるんです。
また、乳酸菌が豊富に含まれることから、
整腸作用があったり、免疫力が向上したり、と、
非常に身体に良い自然食品である、ことが良く言われたりします。
店では毎年、
振り売りの奥さん(白川女(賀茂女?)の格好してはります)が売りに来て下さるものを、
手に入れ使うのですが、
今年の出来はああやった、こうやった、なんて
会話かわしながら、今シーズンの分を手に入れる、というのも、
店にとっては冬のこの時期の恒例、なんですー。
すぐき漬、使い方は色々。
店では日によりお漬け物としてお出ししたり、
お造りの際に「すぐき和え」としてご用意したり、いたします。
白身のお魚との相性、これがまた、良いんですよね。
すぐき漬、京都の冬の味覚の一つ、ですー。
美味しいですー。