くりたのブログ
紀ノ川。
柿です!そろそろ登場しだしています。
今年は天候不順のせいか、
実ものの出だしが定まらないことが多く、
野菜、果物に限らず、色んな食材が、
しかるべき時期にとれなかったり、あるいは時期が大幅にズレたり、と、
例年になく、色々と悩ませてくれる年となっています。
が、そんな中、柿はなんとか入荷!
お食事の後の水物として、いち早く、御献立に秋!の彩りを添えてくれています。
写真の柿、名前は 「紀ノ川」。
毎年この時期になると使っている、和歌山の柿です。
名前の通り、紀ノ川流域の一部地域でのみ栽培されているもので、
品種としては、渋柿の平核無柿(ひらたねなしがき)、なのですが、
その栽培方法が、実はとんでもなくお手間入り!
まだ樹になっているうちから、一つ一つの実にビニールを被せ、
アルコールを使って丁寧に渋を抜き、
樹上でゆっくり、じっくり完熟させた後、収穫する、という、
丁寧な丁寧な方法でもって栽培された柿なのです。
通常の渋柿は収穫後にまとめて渋を抜く、
というのが一般的なのですが、
この紀ノ川は、脱渋作業が樹上で行われており、
樹の上に長くいるぶん、
糖度が上がって、甘い甘い柿が出来上がるんです。
そして強い甘味以外にも、特徴としては、
色が黒っぽいこと!
よく、黒砂糖の様な、とか黒ごまのような、
と言われるようですが、
確かにその色の黒っぽさに、皆様最初はびっくりされます!
でも、この色も、紀ノ川独自の渋抜きの方法によるもので、
渋みの消されたタンニンが、固形化して黒く表れているんだそう。
外見はとてもつややかで、鮮やかな柿色なのに、断面が黒くって。
この意外性、びっくり感が、
紀ノ川のさらなる魅力となっている気がします。
甘さは抜群、
そして完熟とはいえ、さくっと適度に歯応えもある、紀ノ川柿。
お手間入りの柿なので、流通量が非常に少ない!のが残念なのですが、
これからしばらく、御献立の後の水物として登場致します!
皆様、ぜひー。