くりたのブログ
正倉院展。
昨日のことになりますが、
今年も行ってまいりました、第63回正倉院展!
毎年一度、普段は見る事の出来ない正倉院の宝物が一般に公開され、
観覧することができるいう、奈良国立博物館の特別展です。
今日を逃せば日はないっ!と朝1番に、とのつもりが、
例によって、結局到着は朝2番、ぐらいの時間になっていました。
すでに出来上がっているずらっと連なる列の後ろには「待ち時間45分」の文字。
しゃあないなあ、と、じっくり待つ覚悟だったのですが、
意外にも列は流れ、案外早く(30分くらい)入館することができました。
今年の目玉としては、まずは「蘭奢待(らんじゃたい)」!
天下一の名香とされ、足利義政、織田信長等、時の権力者が
切り取り持ち帰ったとされる、香木です。
正式には「黄熟香(おうじゅくこう)」と言うらしい。
でも「蘭奢待」の漢字の中によく見ると東大寺の文字が隠れている、
という、その謂れの方がロマンがあって、それが通称になっているのも納得です。
長さ一m程のその実物を初めて見ましたが、さすがにどっしりとしたオーラが!
香木なので、本来見て楽しむものではないはずが、
鋸で切り取られた跡も確かにあり、
一体、どんな香りなのか!?という好奇心にかき立てられたのもあって、
皆が入手を夢見たというにふさわしく、相当な存在感がありました。
そして、ポスターにも出ていた「 金銀鈿荘唐大刀」。
(きんぎんでんそうのからたち、と読むそうな。読めまへん!)
豪華な太刀。細工も装飾も、細部にわたって美しい、見事としか言いようが無く、
また、おそらく聖武天皇が実際に使っていたもの、と聞くと、
驚き、感動、さらに深まります。
よおこんな素晴らしいものが現代にまで残ってるもんだなあ、と、
すごいっ、奈良時代!と何か嬉しい気分になります。
と、それ以外にも見所は満載なんですが、
実は今日、耳にしたニュースで、
今回の正倉院展で出展されている奈良時代のとある戸籍に、注目が集まっているとか。
なんでも、「正倉院古文書正集第二十一巻」に収録された
721年作成の「下総国葛飾郡大島郷」の戸籍の中に
「とら」と「さくら」の名があり、
また大島郷という所が今でいう東京の葛飾区柴又辺になるとかで、
「天平の寅さん」だ!と話題になっているらしい・・・。
ああ、確かに正倉院文書として戸籍は展示されてましたけど、そこまで見ませんでした!
若干のこじつけ感は否めませんが、それでも、確認したかったー!
「天平の寅さん」も、後の世にこんなに自分がフューチャーされることになろうとは、
思ってはらへんでしょうね(笑)
書のコーナーって、他の宝物のコーナーに比べ、
割と皆さんスルーされていることが多いのか、
(あるいは、「へえ、こんな古いもん残ってんねんなー、全然読めへんけど!」的な
感想を発しておられる方が多いような(笑))
比較的館内の中でも空いているエリアなような気がしますが、
今回のこのニュース、きっと戸籍コーナーに人だかりができそうですよね。
にしても、すごいですよね、「天平勝宝何年」と書かれているものが
実際に残っているんですもんね。
その時代に、まさに目の前にあるこの紙に、
墨と筆で字を書いていた人の存在を思うだけでも、すごいなあ、って思います。
第63回正倉院展、開催は11月14日(月)までだそうです。
会期中は無休、日によっては19時まで開いているそうですので、
まだ行かれてない方、是非に。