くりたのブログ

一足早く。


上の写真、中心部をくりぬいた仕込み中のものですが、
太くて、表面は木肌のような、これ。
京都では馴染み深い、冬の京野菜の代表格、
堀川牛蒡です!
今が旬ではないのですが、
実は数日前、堀川牛蒡に関する取材をお受けして、
急遽堀川牛蒡の取材用のお一品を作ることになった次第。
(昨日の新聞の夕刊に載せてもらったのですが、早速に「見ましたよ」のお声、続々。
   ご覧下さった皆さま、御連絡下さった皆さま、どうも有難うございます!)

堀川牛蒡、特徴は何と言ってもその太さ
直径3?6センチ程で、まるで木材のような風体。
見た目、ちょっと変わった牛蒡なのですが、
京都の冬、特におせち料理には欠かせない食材なのです。
その昔、豊臣家が滅亡した後、荒廃した聚楽第のお堀が
付近住民のゴミ捨て場と化していたとき、
ゴミとして捨てられた牛蒡が巨大になって、太く育った事から、
それが面白いということで生産が始まった、というのが由来であると言われています。
なので、堀川牛蒡という品種がある、というよりも、
牛蒡を特殊な栽培方法でもって、太く仕上げたもの、であると言えます。
栽培は難しく、手間がかかるため、高級品。
その方法について極々簡単に言えば、
地に垂直に生育させた牛蒡を、生育途中で地に寝かせるように横向けに植え替えて、
(正確には、15度の角度をつけるらしい)
直径を太く育てる、というもの。
本来、12月以降、年明けにかけてが最盛期であります。
独特の良い香りがあって、肉質は細かく柔らかい。
中に「す」があるので、中心部をくりぬいて、
そこに具材を詰めて炊き合わせにするのが王道、
海老のすり身なんかを入れるのがポピュラーですが、
くりた流は、鶏のそぼろと合わせます!
鶏の旨味がごぼうにしみ込んで、
相性抜群なのです!

堀川牛蒡、時期的にはちょっと早かったのですが、
仕込み中、店中に牛蒡を湯がいた時の何とも言えんええ香りが。
思わず、「ああ、お正月(=お正月準備の)の香りや!!!」と。
取材、撮影の為のにわか仕込みではありましたが、
牛蒡の質も大変良く(わざわざ早い目に収穫して下さったとのこと)、
美味しく、ほっこり仕上がりました。

おせちの品目の中でも人気の高い堀川牛蒡、
年末の仕込み作業のてんやわんやの時分は、ゆっくり味わう暇もないのですが、
あらためて、なんと奥深い食材なんだ!と、
素晴らしさ、美味しさをかみしめました。
400年の歴史のある食材なんですもんね。
有り難さに、感謝です!


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