くりたのブログ
紀ノ川。
現在店で水物に使用している柿で、名前を「紀ノ川」、
その名の通り、和歌山で栽培されている柿です。
品種としては渋柿の一種、平核無柿(ひらたねなしがき)なのですが、
中の果肉がこんな風、
なんと、黒っぽい!んです。
よく、黒砂糖のような色合い、と表現されるようですが、
実はこれ、紀ノ川柿の独特な渋抜きの方法によるものなのです。
その方法とは、まだ色づき始める前の樹上の柿ひとつひとつに、
タイミングをみてビニール袋をかけ、その中にはアルコール(焼酎)を少量入れて、
そのまましばらく置くんだそうです。(これが脱渋作業。)
その後、またタイミングをみてビニールの下半分を切り取って、
そのまま程よく熟成させた後、収穫。
通常の渋柿は収穫後にまとめて脱渋作業が行われるのが一般的ですが、
紀ノ川は樹上で渋を抜かはるんですね。
また、その分、樹で熟させる期間が通常の柿より長くなるので、
独特のコクのある濃い甘味がうまれるんだとか。
また、黒っぽい色は、渋み成分のタンニンが、
渋く感じないように口の中で溶けないよう変化したものなんだそうです。
ひとつひとつ手作業の、お手間入りの紀ノ川柿、
ちょっと歯ごたえもあり、甘くて、後味がすっきりしています。
店では薄く切って皮ごとお召し上がり頂きますので、
固めの柿が好きな方も、柔らかめが好きな方も、
お楽しみ頂けると思います!